政府は2年連続での減額補正は見送る分、2016年度予算案では概算要求総額(約102兆4000億円)から5兆円以上を圧縮する考えだ。ただ、来年夏の参院選を控えて与党内からは歳出圧力が強まる。新たな財政健全化計画の初年度である来年度予算案で、政府は財政再建に取り組む姿勢を示せるのか。攻防ラインは「97兆円」となる。
今夏決定の財政健全化計画は、今後3年の歳出増を1.6兆円に抑制することを「目安」とした。来年度予算案で財務省は歳出の約3割を占める社会保障費を見直し、厚生労働省が求める約6700億円の増額は、診療報酬引き下げなどで5000億円程度に圧縮したい考えだ。
今年度予算の一般会計総額96兆3420億円に、約5000億円を足すだけならば、来年度は約96兆8000億円におさまる計算。だが、与党内には参院選を意識し、高齢者の負担増につながる社会保障改革は先送りすべきだとの声が続出する。企業収益の改善などで税収は今年度も上振れする見通しだが、政府は計画通り「97兆円」以内に収められるのか。予算案決定まで1カ月となり、与党と財務省の攻防は激しさを増している。