法人税の実効税率引き下げで、大きな代替財源と見込まれる「外形標準課税」の拡大について、経済界もこれまでの反対の立場から、容認する方向に転換している。
外形標準課税は黒字か赤字かを問わず給与総額など事業規模を基準に決められる。その拡充に関して、これまで経団連や日本商工会議所などの主要経済団体は「安易な拡充はすべきでない」と難色を示してきた。赤字企業の再生が遅くなることや、現在は1億円超としている課税対象の資本金の規定を引き下げれば、赤字決算が多い中小企業にとっては急激な税負担増となり、政府が求める賃上げにも取り組めないとの懸念があるからだ。
だが、経済同友会の小林喜光代表幹事は1日の記者会見で「赤字企業でも、国や自治体から一定のサービスを受けている以上、税金を払うべきだ」と述べ、2016年度に法人税の実効税率を30%未満まで下げるよう外形標準課税を拡大することに賛同した。