税制改正大綱決定 財源確保など今後に課題山積 (2/2ページ)

2015.12.17 05:51

与党政策責任者会議で話す自民党の稲田朋美政調会長(右)と公明党の石田祝稔政調会長。両党は2016年度税制改正大綱を正式決定した=16日午後、東京・永田町の衆院第二議員会館

与党政策責任者会議で話す自民党の稲田朋美政調会長(右)と公明党の石田祝稔政調会長。両党は2016年度税制改正大綱を正式決定した=16日午後、東京・永田町の衆院第二議員会館【拡大】

 システム改修は?

 さらに、軽減税率の導入に向け大きな焦点となるのが、17年4月までに事業者の準備をどう間に合わせるか、だ。生鮮食品と加工食品全般までを扱うのは全国約800万事業者。その全てが軽減税率制度に対応したシステムに改修しなければならない。

 政府は、15年度補正予算案に170億円を計上し、システム対応などの相談窓口を全国に設置して対策を進める考え。また、レジや商品管理システムの更新を支援するため、予算執行の手続きが簡素な予備費を充てる方向で検討に入るなど、多額の補助金をつぎ込む方針だ。

 ただ、コンビニエンスストア大手、ローソンの玉塚元一社長は「システム投資などを考えると、時間は本当にぎりぎり」と話す。システムが脆弱(ぜいじゃく)な中小・零細事業者の対応はさらに厳しいとみられ、システム対応が間に合うかは予断を許さない。

 「陳情合戦」過熱も

 一方、軽減税率導入で今後は食料品以外の業界が対象化を求める「陳情合戦」が過熱するとの懸念もある。

 既に軽減税率制度が広く普及している欧州各国では、対象外の業界団体から適用を求めて陳情が相次ぎ、「me too(私も)症候群」という言葉も生まれている。日本でも同じような陳情が与党や財務省に押し寄せることになれば、毎年の税制改正議論が混乱する可能性もありそうだ。(今井裕治)

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