政府は18日、臨時閣議を開き、平成27年度補正予算案を決定した。東日本大震災の復興財源の上積みを含む事業費総額は3兆5030億円。低所得の年金受給者に3万円を臨時給付金として配り景気を下支えするほか、安倍晋三政権が掲げる「1億総活躍社会」の実現に向け子育てや介護の支援を重点化した。来年1月4日召集の通常国会に提出し、早期執行を目指す。
国債の利払い費が想定より少なくなった分を減らすことで補正全体の歳出は3兆3213億円となる。
安倍首相は18日昼、与党幹部との会合で、補正予算案に関し「1億総活躍社会の挑戦に向けた第一歩だ」と述べた。補正予算案では子育てや介護の支援に3951億円、臨時給付金に3624億円などを充てた。 環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)発効に備えた関連費は3403億円を計上した。景気に即効性のある公共事業費は約6千億円とした。パリ同時多発テロなどを受けた対策としては118億円を投じる。
新規国債発行額を当初予算から4447億円削るなど財政健全化にも配慮した。財源には、27年度の税収上振れ分1兆8990億円などを充てる。