韓国政府としては、副議長国であるクロアチアに根回しして登録阻止を狙ったのだろう。あるいは、旧ユーゴスラビアからの独立をめぐり紛争を経験するなど国際情勢に翻弄され続けた歴史をもつクロアチアに対し、日本の植民地支配などを経験した韓国としては情に訴えたかったのかもしれない。
韓国外務省によると、プシッチ氏は「(韓国と)よく似た歴史的経験を持つクロアチアとして韓国の立場を十分理解し共感する」と述べる一方で、世界遺産条約の精神と趣旨に合致した方向で日韓の合意が図られることを期待すると表明したという。クロアチア政府からのリップサービスはあったものの、結局、韓国政府の思いは届かず、登録が決定された。
韓国国民は素直にクロアチアに好感を抱いているようだが、政府としては“歴史戦”を共闘したかったのだろうか。