日米など環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)参加12カ国は4日、ニュージーランドの最大都市オークランドで協定文に署名した。昨年10月に大筋合意した協定文が確定し、今後は議会承認など国内手続きを本格化させる。協定が発効すれば国内総生産(GDP)で世界の約4割を占める巨大経済圏が誕生する。
高鳥修一内閣府副大臣が和服姿で式典に出席し署名。共同記者会見では「速やかにTPP関連法案を提出し各国と共に早期発効を目指したい」と述べた。
12カ国は署名式に先立って閣僚会合を開き、新規参加国への対応や事務局設置の協議を進めるよう首席交渉官に指示した。閣僚声明では、協定の発効に向け「各国の国内手続きを完了させることが焦点になる」とし、TPP参加に関心を示す国があるのは「さらに大きな経済統合の実現に向けた共通の目的を後押しするものだ」と強調した。
安倍晋三首相は署名に関し、官邸で記者団に「日本の成長と国民の豊かさにつなげたい。農林水産業への対策もしっかり行っていく」と述べた。
TPPが発効すれば、日本は輸入関税に関し農林水産物や工業品を合わせた貿易額ベースで95%を撤廃する。農林水産物では最終的に81%の関税をなくす。(オークランド 共同)