日本製車両が導入された高架鉄道「パープルライン」の試運転=2015年12月14日、タイ・バンコク郊外(共同)【拡大】
タイ政府は渋滞緩和や大気汚染の改善を掲げ、高架鉄道など10路線、総延長約470キロの建設を計画。パープルラインをはじめ一部の路線で工事が進むほか、今後、入札が予定される案件も多い。
日本勢では住友商事などが昨年夏、2019年の開業を目指す「レッドライン」の車両やシステム納入を約320億バーツ(約1037億円)で請け負うことでタイ側と基本合意した。約40キロの区間で住商が案件をとりまとめ、日立製作所が車両約130両、三菱重工業が信号システムや電力設備を納入する。日本の総合商社幹部は「日本のインフラ技術を売り込む絶好のチャンスだ。いい案件があれば官民共同で参入したい」と意欲を示す。
14年5月にクーデターが起きたタイ。暫定政権は景気を刺激しようと、インフラ整備に力を入れる。プラユット首相は記者団に「駅や線路だけでなく、人々が楽しめる施設も必要だ」と述べ、商業施設などの開発を進めていく考えを強調した。(バンコク 共同)