外国為替市場で円高圧力が強まっている。24日の海外市場で円相場は対ドルで大きく上昇し、一時1ドル=111円台前半と約2週間ぶりの円高ドル安水準となった。原油相場の下落傾向や株式相場の軟調などを背景に、投資家はリスク回避姿勢を強めており、比較的安全な資産とされる円は買われやすくなっている。
円は今月11日に一時1ドル=110円台後半まで急騰。その後は1ドル=114円台に戻ったが、足元では再び円高基調となり、11日の水準に近づいている。
「円高に振れすぎている」。経団連の榊原定征会長は24日の記者会見でこう指摘し、この水準のままでは、平成28年3月期決算で「企業業績に直接影響してくる」と懸念を示した。
日銀のマイナス金利導入で、当初は日米金利差が拡大して円安ドル高に振れるとみられたが、米国経済の減速懸念から早期の追加利上げ観測が後退し、円高ドル安が進んだ。不安定な原油相場も、日米欧などで株価下落を招き、リスク回避の円買いを誘っている。
足元では、英国の欧州連合(EU)からの離脱観測も、対ユーロや対ドルでの円高につながっている。市場では「1ドル=110円を超えて大きく円高ドル安が進めば当局が動く可能性がある」(三井住友アセットマネジメントの市川雅浩シニアストラテジスト)と為替介入への警戒感がある。