上げ幅が一時600円を超えた日経平均株価を示すボード=2日午前、東京都中央区【拡大】
2日午前の東京株式市場は、米景気の減速懸念後退で投資家が積極的に買う動きを強め、日経平均株価(225種)は大幅に続伸して全面高の展開となった。円安進行も好感されて上げ幅は一時600円を超え、取引時間中として約3週間ぶりの高値水準となった。
午前終値は前日終値比649円30銭高の1万6734円81銭。東証株価指数(TOPIX)は48・03ポイント高の1348・86。
投資家の注目度が高かった米ISM製造業景況指数が市場予想を上回り、前日の米ダウ工業株30種平均が大きく反発した。これまで原油安やドル高の逆風を受けて「米国の景気後退が警戒されていた」(大手証券)だけに、米経済指標の改善が投資家心理を好転させ、東京市場は朝方から幅広い業種の銘柄に買い注文が集まった。
主要産油国が増産を凍結するのではないかとの観測から、前日のニューヨーク原油先物相場が終値で約2カ月ぶりの高値をつけ、金融市場の混乱への不安が和らいで東京株の支援材料となった。
2日の東京外国為替市場の円相場が対ドルや対ユーロで円安に振れたことで、電機株など輸出関連銘柄の上昇が目立った。米調査会社が発表した2月の米新車販売台数で日本勢が総じて堅調だったことも自動車株の追い風となった。