政府は、東京電力福島第1原発事故により放射性物質で汚染された福島県の森林について、避難区域内の里山10カ所程度をモデル地区に選んで除染の実証実験を実施することを決めた。生活圏から20メートル以内としていた除染範囲を、地元の要望を踏まえ拡大する。里山は「住民が身近に利用してきた森林」とし、具体的な範囲は実験結果を基に決定する。
実証実験に向け、関係省庁と福島県の連絡会議を近く設置。地元の意見を聞いた上で、避難区域のある11市町村や周辺にモデル地区を指定。放射線量マップを作成し里山内の林道や遊歩道、広場、キャンプ場などを除染する。実験期間は3年程度。
里山より深い場所にある「奥山」とされる地域では、放射性物質を含む土壌の流出を防ぐための柵設置や、森の荒廃を防ぐための間伐などを実施する。作業員の安全を確保するためのガイドブックも作成する。
環境省の有識者会議は昨年12月、森林除染の範囲を人家の周辺などに限定し、福島県の面積の7割を占める森林の大部分は対象としない方針を提示。これに対し地元自治体からは再考を求める声が上がっていた。