伊勢志摩サミットが開かれる三重県志摩市の賢島【拡大】
主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)に合わせ、計10の関連閣僚会合が広島市での外相会合を皮切りに4月から9月にかけて日本各地で順次開催される。安倍晋三政権は各会合でテーマを設定し、討議の成果を5月26、27日のサミットに反映させる方針。各国の英知を集約し、世界に発信したい考えだ。開催数は日本のサミットでは過去最多。政権が掲げる地方創生につなげる狙いもある。
被爆地で開催される外相会合は、核軍縮・不拡散に向けた機運を盛り上げられるかが鍵だ。核保有国の米国、英国、フランスの外相は平和記念公園を初めて訪れる意向で、実現すれば大きな成果だ。オバマ米大統領の被爆地訪問実現への弾みとしたい思惑もある。
サミットの「最大のテーマ」(安倍首相)となる世界経済は、財務相・中央銀行総裁会議(仙台市)で成長軌道への道筋を示せるかが課題。サミットに向け政府が新設した有識者との「国際金融経済分析会合」と合わせ、協議の結果が首相による夏の「衆参同日選」判断を左右する可能性も否定できない。
関連会合は、経済に関する会合が集中しているのが特徴だ。新潟市で農相、高松市で情報通信相、北九州市でエネルギー相、長野県軽井沢町で交通相の会合を開催。農業生産者の高齢化対応や原油価格急落への対処、車の自動運転などを議論し、政権の成長戦略にも反映させたい考えだ。
世界規模の課題を主導する観点から、地球温暖化問題や中南米で拡大するジカ熱など感染症への対策、保健制度の普及も重視。富山市の環境相、茨城県つくば市の科学技術相、神戸市の保健相の各会合で、関係国の結束した取り組みを確認する。岡山県倉敷市では教育相会合を開催する。