中国が初めて自主開発に成功した超小型金属3Dプリンターがこのほど、山東省青島市の国家級新区、青島西海岸新区で正式に披露された。全国初の生産ラインは(中独両政府による戦略的協力プロジェクトである)青島中徳生態園に建設が決まったという。
今回発表された超小型金属3Dプリンターは北京易博三維科技が研究開発したもので、型番は「YBRP-140SLM」。選択的レーザー溶融(SLM)法を採用し、多材料による高性能な金属部品の製造が可能だという。
同社の開発者によると、使用可能な材料は鉄基合金、ニッケル基合金、銅基合金、チタン合金など。プリンターの外観サイズは小さく、精巧で緻密な造形を可能としているため、小ロットで多品種展開を行うミニサイズの精密部品および特殊金属材料の研究に適しているという。今後は航空宇宙、宝飾品、医療、教育などの分野で応用されることが期待されている。
青島中徳生態園管理委員会の沈雷副主任は、同園では以前から3Dプリンターに着目、中でも最先端の金属3Dプリンター産業を重要視してきたと説明。生産ラインの建設決定を受け、今後は同プリンターの産業化、市場化、国際化の発展を推し進めていきたいと意気込む。
中国では今年、金属3Dプリンター産業の市場規模が100億元(約1720億円)に達すると予測されており、需要の倍増も見込まれている。(中国新聞社)