政府は23日発表した3月の月例経済報告で、景気判断を「このところ弱さもみられるが、緩やかな回復基調が続いている」とし、前月から引き下げた。個人消費が鈍いほか、海外経済の減速や金融市場の混乱を背景に企業関連でも弱さが出てきたことを反映した。景気の停滞感が強まっており、来年4月の消費税率10%への引き上げに対する安倍晋三首相の判断に影響する可能性もある。下方修正は平成27年10月以来5カ月ぶり。
2月は「このところ一部に弱さもみられるが、緩やかな回復基調が続いている」だった。今回の下方修正について、石原伸晃経済再生担当相は「企業や消費者のマインドに足踏みがみられ、個人消費は力強さを欠いている」と説明した。
項目別では、個人消費を「総じてみれば底堅い動き」から「消費者マインドに足踏みがみられる中、おおむね横ばい」に7カ月ぶりに引き下げた。
また、中国経済などの失速で製造業の業績が悪化していることなどを踏まえ、企業収益の判断を前月の「改善している」から「非製造業を中心に改善傾向にある」へと表現を弱め、企業の業況判断も下方修正した。ただ、設備投資と輸出はいずれも上方修正した。