一方で、法人税減税と相まって企業の内部留保は15年3月末に354兆円と前年度から約26兆円積み上がり過去最高だ。麻生太郎財務相は「減税でもうかっている企業が内部留保をためるだけでは意味がない」と強調する。
世界経済の情勢について意見交換する「国際金融経済分析会合」で米ハーバード大のデール・ジョルゲンソン教授は「税負担を投資から消費へシフトし、民間投資を喚起することが必要だ」と主張した。法人税減税で企業に投資を促し、税収減を補うために消費税を増税するのは世界の潮流で、まさに政府が実践しようとしてきたことだ。
だが、現実には法人税減税による投資や賃上げ効果は鈍く、消費税の10%への増税延期観測も公然化。麻生財務相は24日の国会答弁で「長く続いたデフレの思想が抜けきっていないのが大きい」と本音を漏らした。税制を通じて、経済活性化を促す政府の枠組みは岐路に立たされている。