衆院本会議で答弁する安倍首相=5日午後【拡大】
環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の承認案と関連法案が5日、衆院本会議で審議入りした。安倍晋三首相は、国会が政府に保護を求める決議をしたコメなど農業の重要5項目の合意内容について「決議の趣旨に沿うものと評価していただける」との認識を示した。政府は来月の法案成立を目指す。
一方、民進党など野党は農業を中心に国益を損なう協定だなどと批判した。交渉責任者で、金銭授受問題により閣僚を辞任した甘利明氏らの参考人招致を求め、交渉の過程について追及していく方針だ。
関連法案は、著作権保護期間の延長や畜産支援が柱で、後半国会の焦点となる。夏の参院選もにらんで審議は波乱含みの攻防となりそうだ。
民進党の山尾志桜里政調会長は、重要5項目の約3割の品目で関税が撤廃されることを指摘し「国益が守られたと強弁するにはあまりに無理がある」と政府の見解に疑問を呈した。
山尾氏は、参加国との閣僚級協議など交渉過程の記録の開示を要求した。政府側は、参加国との秘密保護の取り決めにより制約があるとし、開示に否定的な考えを示した。
おおさか維新の会の下地幹郎氏は、TPPの発効で実質国内総生産(GDP)を約13兆6000億円押し上げるなどとした経済効果分析が「国民の信頼を得られていない」と批判。安倍首相は「現時点で最も適切な分析結果」と応じた。