首都ハノイにあるIT関連企業。ベトナムは起業に向けた支援拡充に注力する(AP)【拡大】
ベトナムは企業の設立件数が急増している。同国統計総局(GSO)によると、1~3月期の新規設立企業数は、前年同期比24.8%増の2万3770社、資本金総額は67.2%増の186兆ドン(約9114億円)に拡大した。同国は経済の先行きに対する明るい見方が企業の設立を後押ししているもようだ。現地紙サイゴン・タイムズなどが報じた。
新規設立企業の資本金の平均額は78億ドンとなり、前年同期と比べて34.5%増加した。雇用創出は21.5%増の32万2200人に達した。また、同期に事業を再開した企業は9380社で、前年同期よりも84.1%増加している。
GSOが製造企業を対象に行った調査によると、1~3月期は前期比で業績が上向いたと回答した企業が全体の29.2%だった。4~6月期については、さらに業績が上向くと回答した企業は53.3%と過半数に上った。生産面では、4~6月期は1~3月期を上回ると回答した企業が54.2%となり、生産量が減少すると回答した企業を大きく上回った。
一方で、1~3月期に事業を中断した企業は23.9%増の約2万件と増加した。
同国は、1~3月期の国内総生産(GDP)成長率が深刻な干魃(かんばつ)や塩害の影響で、5.46%に鈍化したものの、分野別では製造・建設業は6.72%、サービス業は6.13%と堅調だった。同国政府は、必要な対策を講じ、通年の成長率目標6.7%を目指す姿勢を改めて示した。
現地紙ベトナム・インベストメント・レビューの調査によると、同国は経済成長を加速させるためには、現在の企業数の10倍に相当する500万社が必要とみられている。政府は、起業の促進に向けた支援拡充に注力する方針だ。(シンガポール支局)