国際通貨基金(IMF)が米ワシントンで開いた国際通貨金融委員会(IMFC)は16日、金融市場の変動とリスク回避が強まっていることに懸念を示す声明を採択して閉幕した。対応策として、構造改革や財政政策を含む政策総動員を各国に求めた。
IMFCが採択した声明は中国の成長鈍化を念頭に、世界の貿易が引き続き大幅に減速していると指摘。「新興国と途上国の成長は冷え込んでいる」と言及した。
リスク要因として原油安のほか、地政学的な緊張やシリアなどの難民問題、英国の欧州連合(EU)離脱の可能性などを挙げた。
IMFの活動に関しては、為替相場の分析を強化する取り組みを歓迎した。新興国や途上国の発言権拡大に向け、IMFへの出資比率のさらなる見直しに2017年を目標に取り組むと明記した。
IMFはまた、世界銀行との合同開発委員会を16日に開いた。難民問題は発生国と受け入れ国の双方に大きな影響を与えているとし「難民発生の根本的な原因に対処する行動」を関係国に促す声明を採択した。(ワシントン 共同)