乾いてひびが入った田んぼ=1日、ベトナム・ビンダイ(共同)【拡大】
同じ東南アジアのタイでも、稲作地帯である北部や東北部が「過去50年で最悪」(水道当局)の干魃に見舞われた。政府は全77県のうち20県以上を「災害地域」に指定。タイ商工会議所大学の試算によると、農工業やサービス業の被害額は年間約1190億バーツ(約3653億円)に上り、経済成長率を0.85%押し下げる。
タイ政府は農家にコメの栽培制限を要請。比較的少ない水で育つドリアンやマンゴーへの転作を奨励するが、収穫までに一定の時間がかかり有効策にはなっていない。
中国などによるメコン川上流のダム建設が水不足の一因との指摘もあり、中国はベトナム政府の要請に応じ、一部ダムの放水を開始した。ただ、効果は限定的とされ、根本的な解決にはつながりそうにない。
ベトナム南部やタイでは通常、4~6月に雨期に入る。だが、温暖化の影響で雨期の入りが遅くなる可能性があり、被害がさらに広がりそうだ。(ビンダイ、バンコク 共同)
◇
【用語解説】エルニーニョ現象
南米ペルー沖の太平洋赤道海域で海面水温の高い状態が続く現象。大気の流れや気圧に変化を及ぼし、地球規模で異常気象を引き起こすと考えられている。国連によると、2015年はエルニーニョと地球温暖化の影響で世界の平均気温が史上最高だったとされ、大規模な干魃が過去10年の年平均の2倍以上となる32件発生した。(ビンダイ 共同)