政井貴子氏【拡大】
政府は19日、日銀政策委員会の石田浩二審議委員(68)の後任に、新生銀行の政井貴子執行役員(51)を起用する人事案を発表した。衆参両院の議院運営委員会に提示した。衆参両院本会議で可決した上、承認される見通しだ。任期は5年。
審議委員の一人はメガバンクグループから出ることが慣例になっており、今回の人事案は異例だ。白井さゆり氏が3月末で退任したため、政井氏は政策委員会のメンバーでは唯一の女性となる。
日銀の金融政策は正副総裁3人と審議委員6人の計9人の多数決で決める。政井氏の金融政策に対する姿勢は不明だが、石田氏は1月のマイナス金利政策導入決定の際に反対しており、今回の委員交代で、黒田東彦総裁にとっては積極的な金融緩和路線を進めやすくなる可能性がある。
政井氏は、外資系金融機関を経て2007年に新生銀行に入った。市場調査を担当し、13年に新生銀では初めてとなる女性執行役員に就任した。為替相場の分析に定評がある。
石田氏は三井住友フィナンシャルグループ出身で、6月29日に任期満了を迎える。
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【プロフィル】政井貴子
まさい・たかこ 法政大大学院修了。カリヨン銀行(現クレディ・アグリコル銀行)などを経て、2007年新生銀行。13年4月から執行役員。愛媛県出身。