福建省福州市のレストランの外で待つ「餓了麼」の配達員ら。同社は金融面などでアリババと協力することで互いの苦手な部門を補い合っていく(中国新聞社)【拡大】
■提携でフードデリバリー強化
中国のフードデリバリー注文サイト「餓了麼(ウーラマ、『おなか空いた?』の意味)」は今月中旬、阿里巴巴集団(アリババ・グループ・ホールディング)およびアリババの金融部門である●蟻金融服務集団(アント・ファイナンシャル、●蟻金服)との間で正式に戦略的協力協定を結んだと発表した。これにより餓了麼は12億5000万ドル(約1390億円)の資金を獲得した。内訳はアリババが9億ドル、●蟻金服が3億5000万ドルとなっている。
◆O2O競争は激化
今回の協定を受け、餓了麼では張旭豪最高経営責任者(CEO)をはじめとする同社幹部4人に加え、アリババ董事局の蔡崇信副主席が董事会(取締役会)に加わることになる。
これら3社は今後、クラウドコンピューティング、地図、金融、信用取引を含む多くの分野で業務上の協力関係を深めていくが、中でも最も重要な項目は、アリババ傘下の生活情報サイト「口碑網」のフードデリバリーサービスに餓了麼が運営サポートを提供していくことだ。
アリババの張勇CEOは「餓了麼には引き続き、中国のフードデリバリーサービス市場を牽引(けんいん)してもらうと同時に、アリババユーザーにいままで以上の消費シーンとサービス体験を提供してほしい」と話し、互恵関係を築くのみでなく、電子商取引(EC)市場のさらなる開拓に取り組んでいく姿勢を強調する。
●蟻金服の井賢棟総裁も「業務提携を通じて、餓了麼のO2O(オンラインとオフラインの連携)市場にいる多くの業者とユーザーに、よりよいサービスを提供することを手助けできれば」と語った。