激しく損壊した熊本県南阿蘇村の道路=4月16日【拡大】
政府は10日、熊本地震の復旧に向けた2016年度補正予算案の追加歳出を7780億円とする方針を固めた。熊本地震復旧等予備費を7000億円計上する。財源には日銀のマイナス金利導入による金利低下で国債の利払い費が減った分を活用し、国債の追加発行はしない。13日に閣議決定する。成立は17日の見通し。
予備費は、がれき処理や道路や橋といったインフラ復旧、被災企業の事業再建支援などに充てることを想定。復旧費用を通常通り査定していると、通常国会への補正予算案提出が間に合わないため、閣議決定で使い道を決められる予備費とした。
このほか、避難所の運営や仮設住宅の建設などに充てる災害救助費等負担金に573億円、住宅が壊れた人の再建を後押しするため、被害に応じて被災者に最大300万円を支給する「被災者生活再建支援金」に201億円、災害弔慰金に6億円を盛り込んだ。
政府は当初予算で、国債の利払いにかかる金利を1.6%と想定し、利払い費9兆9000億円を計上していた。ただ、2月に日銀がマイナス金利を導入したことで長期金利がマイナス0.1%前後まで低下していることから、利払い費を削減できる見通しとなった。
安倍晋三首相が10日朝、麻生太郎財務相と会い、補正予算案の概要を確認。安倍首相は10日の政府与党連絡会議で、16年度補正予算案について「一日も早く成立させる必要がある。安心した生活を取り戻せるように政府、与党が一致協力して最優先で取り組んでいく」と述べた。