インドのモディ首相=4月、インド北東部グワハティ(共同)【拡大】
首相就任から26日で丸2年がたつインドのモディ政権の経済改革が行き詰まりつつある。4月までの実施を公約していた税制の簡素化は国会で抵抗に遭い頓挫するなど、産業界が期待する改革は一向に進まない。
インドは中国をはじめとした新興国の中で最も高い経済成長率を誇るが、改革が遅れれば投資する国外企業の視線が厳しくなり、経済に悪影響を及ぼしかねない。
ジャイトリー財務相は、州ごとに異なる物品サービス税の税率を全国で一本化する法案の成立を目指したが、上院の同意を得られなかった。
インドでは、英植民地時代の税制の名残で物品への間接税は州政府が課すが、他の州へ出荷されれば中央政府が課税権を持つ。自動車メーカーなどは煩雑な手続きを強いられ、投資誘致の妨げになっている。
土地収用法や労働法改正も今国会では議論が不発。与党連合は上院で4分の1程度しか議席がなく、法案が通せない状況だ。上院議員を選出する各州の議会選挙で勝つ必要があるが、人口が多い重要州では地元の政党が強く敗北を重ねる。
国際通貨基金(IMF)によると、2016年の経済成長率見通しは7.5%と主要新興国の中でトップに立つ。半面、不良債権問題が深刻化し、銀行融資の伸びが鈍化するなど経済への逆風も強い。
格付け会社インディア・レーティングスは、回収困難な銀行の債権が全体の2割に上ると試算。企業の破綻処理を容易にする破産法は今国会で可決されたが、実効性を持たせるには「破産調停の専門家の育成や規制機関の設立などが必要」(野村証券)だ。
西部や南部などでは干魃(かんばつ)で3億人以上が影響を受けるなど大きな被害が出ており、モディ首相は成長を維持できるかどうかの岐路に立つ。(ニューデリー 共同)