伊勢神宮の正宮前で記念撮影を行う安倍首相(右から5人目)らG7各国首脳=26日、三重県伊勢市【拡大】
主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)が26日に開幕した。初日の討議では世界経済をめぐり議論。安倍晋三首相はリーマン・ショック級の落ち込みを示す一部の経済指標があることに触れ「対応を誤ると危機に陥るリスクがある」と述べ、危機回避に全力で臨む考えを表明した。各国の事情を踏まえた機動的な財政出動や、構造改革を加速することで先進7カ国(G7)首脳が足並みをそろえた。
安倍首相は来年予定する消費税増税の是非をサミットの議論も踏まえて判断する方針。増税延期の条件としてはリーマン・ショックのような混乱を第一に挙げていた。同日の経済討議では消費税をめぐる議論はなかったが、国内景気への打撃が避けられない来年4月の増税を延期する場合に備えた布石を打ったといえる。
G7は「パナマ文書」問題で批判が高まった課税逃れの阻止に向け結束することも確認した。テロ対策なども協議し、27日の閉幕後に首脳宣言を公表する。
安倍首相は討議の冒頭、原油安やテロ、難民問題、新興国の不振を挙げて世界経済は不透明感が増しているとし、回復するか悪化に向かうかの「分岐点にある」と指摘した。原油、食料など商品価格の2014年以降の下落率が08年のリーマン危機前後と同じ55%に達し、新興国の投資の伸び率も低迷したとして強力な政策対応を呼び掛けた。
世界経済に関し「危機に陥るリスク」があるとの認識には一部の首脳から異論が出た。安倍首相がこだわった一斉の財政出動に対し、構造改革や民間投資の拡大を重視するドイツなどが同調せず、金融政策を含めた適切な手段を各国の状況に応じてそれぞれ採用することで決着した。
2日目は気候変動・エネルギー問題を協議。ベトナムなどアジア・アフリカから招いた7カ国の首脳も加わる拡大会合も開く。