7月の米利上げが先送りになった場合、さらに円高圧力が高まるだろう。そこで政府が選択するのは、円安効果のルートではなく、財政出動を大規模に展開し、国内総生産(GDP)を直接的に押し上げ、企業・個人の心理を支え、株高を演出するという政策への「モードチェンジ」だと予想する。
7月10日に投開票の参院選をターゲットにした自民党の公約から「大胆な金融緩和」という文言がなくなった。政界の内外では、さまざまな「解釈」が出ているが、「財政拡張」がニューモード・アベノミクスの主役であり、金融緩和は「いぶし銀の脇役」になることを問わず語りに語っているのではないかと考える。
とはいえ、この政策には財政出動の上限や2020年度のプライマリーバランス(基礎的財政収支)黒字化の現行目標との整合性が必要になる。
何の歯止めもかけないようなら、事実上の「ヘリコプターマネー」に突入しかねない。
アベノミクスのモードチェンジが水面上に浮上してきた場合、その点の明確化が何より重要であると指摘したい。
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【プロフィル】田巻一彦
たまき・かずひこ ロイターニュースエディター 慶大卒。毎日新聞経済部を経てロイター副編集長、コラムニストからニュースエディター。57歳。東京都出身。