米通商代表部(USTR)は13日、中国が自動車や航空機に用いられる原材料の輸出価格を不当につり上げているとして世界貿易機関(WTO)に提訴したと発表した。オバマ政権による中国の提訴は13件となった。
市場への介入で自由貿易をゆがめていると中国に強硬姿勢で臨むことで、11月の大統領選をにらみオバマ政権の対中政策は手ぬるいと攻撃する議会共和党や、同党の候補指名が確定した実業家、トランプ氏を牽制(けんせい)する思惑がありそうだ。
USTRによると原材料は銅や鉛、コバルトなど9種類で、中国は輸出の際に5~20%の税金を課している。税金を払わずに原材料を購入できる中国メーカーはコストを抑えることができ、国際競争上有利になる。
USTRは、中国から高い価格で原材料を輸入しなければならない米国のメーカーが不利になっていると訴え、税金の撤廃を要求。「中国は2001年にWTOに加盟した際に税金の撤廃を約束したが、守っていない」とも主張している。
USTRは、WTOの紛争解決手続きに従い、まずは中国との話し合いによる解決を目指すが、決着しない場合、裁判の「1審」に当たる紛争処理小委員会(パネル)の設置をWTOに求める。
トランプ氏は、中国が01年にWTOに加盟して以降、鉱工業製品の輸入増などで「米国で5万超の工場が閉鎖された」と主張する。民主党の大統領候補指名が確定したクリントン前国務長官を支援するオバマ政権は、共和党の批判をかわすため中国に強い態度に出ている。中国側は、米国の相次ぐ対抗措置に「問題解決に役立たない」と反発を強めている。(ワシントン 共同)