国の原子力委員会(岡芳明委員長)が、東京電力福島第1原発事故後、発表を見合わせていた「原子力白書」を来春まとめる。2011年3月に発表予定だった10年版が事故のため中止され、09年版以降、7年ぶりの改定になる。事故を踏まえた規制の強化など、原子力利用を取り巻く環境変化を整理する。
原子力委は福島事故後、原発推進の役割や不透明な運営を批判され法改正で機能を縮小。委員も5人から3人に減らした。17年3月発表をめどに事務局の内閣府が準備中の16年版白書は中立の立場を意識し、事故の反省や平和利用の課題をまとめた年次報告や記録の位置付けとなる見通し。原子力委は現在、事故前は国の原子力政策の基本方針だった「原子力政策大綱」の代わりに、内容を簡素化し、原子力利用の課題などを示す「基本的考え方」を策定中。これを指針とし、関係省庁に具体的な施策の実施を促す。