
首相官邸で開かれた月例経済報告関係閣僚会議=25日【拡大】
政府は25日、7月の月例経済報告を発表し、全体の景気判断を「このところ弱さもみられるが、緩やかな回復基調が続いている」とし、4カ月連続で据え置いた。ただ、年初来の円高や英国の欧州連合(EU)離脱決定による先行き不安の高まりを踏まえ、企業の業況判断を3カ月ぶりに下方修正した。5、6月は企業収益を2カ月連続で下方修正しており、企業心理が弱含みつつある。
石原伸晃経済再生担当相は報告を提出した関係閣僚会議後の会見で「企業の業況見通しは悪くなっている。ただ、雇用と所得の環境は改善しており、景気は緩やかな回復基調が続いている」と述べた。月例報告は、景気の先行きについて「英国の欧州連合(EU)離脱問題など、海外経済の不確実性の高まりや金融資本市場の変動の影響に留意する必要がある」とした。
企業の業況判断は「慎重さがみられる」から「慎重さが増している」へと変えた。熊本地震で宿泊業が打撃を受け、6月の日銀の全国企業短期経済観測調査(短観)では全規模全産業の業況判断指数が悪化している。個人消費は「消費マインドに足踏みがみられるなか、おおむね横ばいとなっている」、設備投資は「持ち直しの動きがみられる」でそれぞれ据え置いた。