だが、トランプ氏が今の体制の大変革を目指しているなら、想定以上のショックが発生するリスクを意識せざるを得ない。
一方、世界経済は、英国の欧州連合(EU)離脱決定直後の混乱から立ち直ったようにみえる。
しかし、今のリスクオン相場は、年内の米利上げなしという大前提に立っている。
もし、米連邦準備制度理事会(FRB)が年内利上げの可能性をにじませれば、株価が急反落する可能性を否定できない。
そこには、ここ数年、一部の学識経験者や政策担当者が仮説を提示し、次第に賛同者が多くなってきた米経済の潜在成長率と生産性の低下基調という問題が存在する。
脆弱性を抱えた経済構造の下で、金融・資本市場に「ショック」が発生すると、想定を超えて経済に打撃が加わり、2008年9月のリーマン・ショックの直後のような混乱が生じるリスクが高まる。
米大統領選の投票日まで3カ月余り。今のうちにトランプ氏の当選時に何が起きるのかシミュレーションし、ろうばいしないような準備が必要ではないか。
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【プロフィル】田巻一彦
たまき・かずひこ ロイターニュースエディター 慶大卒。毎日新聞経済部を経てロイター副編集長、コラムニストからニュースエディター。57歳。東京都出身。