【論風】よろめく世界経済 新興国減速で視界不良続く (2/3ページ)

2016.7.28 05:00


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 ただ、世界経済の低成長はしだいに米国にも影響を及ぼし、米供給管理協会(ISM)の製造業景況指数は16年に入って下降に転じている。国際通貨基金(IMF)も16年1月の時点では米国の16年の成長率を2.6%としていたが、4月には0.2%下方修正して2.4%としている。先進国全体でも1月の2.1%から4月には1.9%に下げているのだ。原油価格など天然資源価格は若干戻してきているが、前述したように大きく反転しているという状況ではない。

 IMFのラガルド専務理事は最近の講演で「回復はあまりにも緩慢かつ脆弱(ぜいじゃく)で、長引く低成長が、多くの国の社会構造、政治構造に大きなダメージをもたらすリスクをはらんでいる」と警告している。

 ◆中国の成長率に疑問の声

 ロシアやブラジルだけでなく、中国の成長率が急速に低下していることも懸念材料だ。中国は1980年から2011年までは年平均で10%超の成長率を達成してきたが、12年から成長率が低下し(12年7.70%、13年7.70%、14年7.30%)、15年には6.90%と6%台まで下がってきている。

 IMFによる16年4月時点の推計では16年はさらに6.49%まで下落すると予測されている。しかも、こうした予測にも疑問を呈する向きも少なくない。というのは、輸入が14.1%も減っているのに、GDPが6.90%も伸びているのは不自然だからだ。

 貨物輸送量、電力消費量、銀行融資残高から構成されるいわゆる「李克強指数」で試算すると、実際の成長率は6.9%の半分以下の2.9%だというのだ。いずれにせよ、高成長を続けてきた中国経済が失速しているのは間違いがないのだろう。

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