ただ、少子化で人口が減っており、交通網の整備などでどこまで経済が拡大するか疑問だ。消費意欲が落ち込むなどし、公共事業の波及効果そのものが落ちているとの指摘もある。建設業界は「受注しようとしても工事をする人繰りがつかず、あきらめることがある」(ゼネコン関係者)など人手不足が続く。
ニッセイ基礎研究所の矢嶋康次チーフエコノミストは「人手が足りない中で公共事業を無理に受注しても不完全な工事しかできない。政府は、事業の優先順位や採算性を検討すべきだ」と主張。完成施設の収益性を高めるため「民間に売却して運営を任せるなどの『出口』も考えなければならない」とする。
16年度第2次補正予算や17年度当初予算の編成過程では、与党や各省庁からの歳出圧力が予想される。真に効果を生む事業をどこまで選別できるか、政権の覚悟が問われている。(山口暢彦)