カナダの公的年金積立金を運用するカナダ年金プラン投資理事会(CPPIB)や、米カリフォルニア州職員退職年金基金(CalPERS)などと比べ、GPIFの株式比率が突出しているわけでもない。
もっとも、海外の公的年金に詳しい日本総研の西沢和彦主席研究員は「CPPIBは(年金のうち)最低保障機能を担う部分は運用していないが、GPIFは(それに相当する)基礎年金も含めて運用している」と指摘。カナダには損失が発生した場合、保険料率引き上げなどで即座に処理する仕組みがあるが、日本は不十分という。
GPIFは新興国での非上場株式投資なども始めており、「『運用ありき』で先走っている」(西沢氏)との見方もある。リスク資産を増やした結果、赤字が続けば、将来的に年金財政を圧迫する可能性はゼロではない。
運用割合の変更などには、丁寧な説明と国民の意見を踏まえた決定を行うことが欠かせない。
■主な年金基金の資産運用配分の比較(債券/株式/その他(不動産など))
年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)50%/50%/0%
米カリフォルニア州職員退職年金基金(CalPERS)20%/61%/19%
カナダ年金プラン投資理事会(CPPIB)28%/72%/0%
ノルウェー政府年金基金グローバル(GPFG)35~40%/60%/~5%
※GPIFホームページなどから作成。2016年3月末