GDP、強力な景気の牽引役不在 民需主導の持続的成長課題 (2/2ページ)

中国人の“爆買い”は陰りが見え、百貨店では1人当たりの購入金額が減少している
中国人の“爆買い”は陰りが見え、百貨店では1人当たりの購入金額が減少している【拡大】

 GDPの6割を占める個人消費は0.2%増と耐久財を中心に底堅かった。ただ今回は「熊本地震のダメージが大きかった」(ANAホールディングスの平子裕志取締役執行役員)ため、国内旅行などに弱さがみられた。政府は「個人消費は依然、力強さを欠いている」(内閣府幹部)としている。

 企業は投資に慎重さを強めており、設備投資は0.4%減と大きく落ち込んだ。先行きへの警戒も強く、想定を上回る円高で2017年3月期の業績見通しを引き下げたトヨタ自動車は、通期の研究開発費、設備投資費をそれぞれ100億円下方修正。大竹哲也常務役員は「効率的に費用を使うことを徹底する」と語った。

 中国経済の減速で、中国人など訪日客の“爆買い”の勢いに陰りが出ており、企業の間では「客数は増えているが購入単価が減少している」(資生堂の魚谷雅彦社長)「今までの好調が異常だった」(三越伊勢丹ホールディングスの大西洋社長)といった声が強まっている。爆買いの減少は輸出を下押しする。

 政府は今月まとめた28兆円規模の経済対策で、非正規雇用者の待遇改善といった働き方改革や、生産性向上を目指す産業構造改革を柱に据えた。こうした対策を中長期的な消費や投資の拡大につなげ、民需主導の持続的な成長を実現できるかが今後の課題となる。