三菱総合研究所の武田洋子チーフエコノミストは「これまで通りの社会保障制度が維持できるのか、と疑問に思う人は増えている」と指摘。同様に日本商工会議所の三村明夫会頭も、「消費者は将来不安から消費を抑え、貯蓄に動く」と強調した。
安倍晋三首相は「皆年金、皆保険という世界に冠たる社会保障制度」の継続を強調する。だが、政府は社会保障の財源となる消費税率10%への引き上げ時期を、19年10月に再延期した。今後、社会保障制度を持続的なものにするためには、公的年金の支給開始年齢引き上げや、経済的に余裕のある高齢者の給付削減など、給付と負担のバランスをとる制度改革が必要になるだろう。もちろん政府の歳出改革も不可欠だ。
社会保障改革で将来不安を払拭すれば、個人消費の拡大を阻む壁はひとつ解消する。しかし、そのためには消費税増税や“痛み”を伴う改革と、それに伴う消費の落ち込みが避けられない。政治の抱えるジレンマが、消費に重くのしかかっている。