
「餃子一皿99円」との看板を掲げるラーメン店「下町の空名北店」=10日、名古屋市北区【拡大】
デフレ期には値下げ競争で、外食や流通業界は泥沼の消耗戦に突入した。その再来を恐れ、値下げ以外の手段で集客を探る動きもある。牛丼チェーンの吉野家は、東京・恵比寿に「居心地の良さ」を重視したカフェ風の店をオープンし、若者層の開拓に懸命だ。
若者の節約姿勢が「消費全体の重しになっている」と指摘するのは、日本総合研究所調査部の下田裕介氏だ。総務省の統計を基に、年齢層別に手取り収入に占める消費支出の割合を、2004年と14年で比べたところ、29歳以下の世帯は81.2%から75.4%へ低下していた。下げ幅は年齢が低いほど大きく、若者が支出を切り詰めていることが裏付けられた。
同様の問題は政府も認識している。16年度の経済財政白書では、若者や子育て世代の節約姿勢の理由として「将来も安定的に収入を確保できるのか、老後の生活設計は大丈夫なのかといった不安」を挙げた。
安倍政権は、非正規雇用が増えている実態を踏まえ「同一労働同一賃金」などで賃金底上げを目指すが、こうした改革に経済界は慎重で、最終形ははっきりしない。
低所得者に1万5000円を支給する経済対策の施策についても、日本総研の下田氏は「一時的な措置であり、将来不安は払拭できない」と指摘。歳出改革による医療・年金制度の安定化や、予算面で現役世代の支援を手厚くしていく方策が不可欠と提言している。