20カ国・地域(G20)首脳会議では、各国が議長国の中国に対し、鉄鋼をはじめとする過剰生産問題の解決を注文。中国は火消しに躍起になっている。
「構造改革を積極的に推進していく」
中国の習近平国家主席は会議に先立つ3日の講演で、過剰生産能力の解消に力を入れる考えを示した。会議前から、米国や欧州の政府高官から批判が相次いでいたことから、懸念を払拭する狙いがある。
中国は、世界の鉄鋼生産量(約16億トン)のほぼ半分を生産し、さらに3億トン以上の過剰生産能力を持つとされる。海外に安価で輸出された結果、海外の鉄鋼メーカーの業績を圧迫し、各国の経済に影響を与えている。
そもそも中国が鉄鋼や石油製品などの過剰な生産能力を持ったのは、リーマン・ショック後の世界経済の減速を下支えするため、大型の財政出動を行い、設備を増やしたことが原因だ。ただ、高成長に陰りが見える中、能力を持て余している。