【杭州=西見由章】G20首脳会議の関連会議「ビジネスサミット」で、講演した習近平国家主席が古典から引用した語句を読み間違え、ネット上で話題になっている。中国当局は誤りを指摘する書き込みや動画などを次々と削除している。
G20の一部の国家指導者や企業経営者らが参加した3日の開幕式で、習氏が中国の改革開放に触れた際、「通商寛農(貿易を促進し農政にゆとりをもたせる)」との語句を、春秋時代の歴史書「国語」から引用。だが、「寛農」を「寛衣(服を脱ぐ)」と言い間違えた。中国で使われている簡体字の「農」と「衣」は形が似ているためだ。
習氏は講話などで古典を好んで引用するが、ハプニングによりスピーチライターの原稿を読んでいることが裏付けられてしまった格好で、ネット上では「寛衣」が流行語になり、「彼の威信への打撃は少なくない」との声も上がった。