Ｇ２０閉幕、「下方リスク」阻止に政策総動員　保護主義対抗、為替安定で一致 (1/2ページ)

　中国・杭州で開かれていた２０カ国・地域（Ｇ２０）首脳会議は５日、世界経済には下方リスクが存在しているとして、成長に向け、各国が財政・金融政策、構造改革の全ての政策手段を活用するとの首脳宣言を採択して閉幕した。

　宣言には中国を念頭に、鉄鋼などの過剰生産問題も盛り込むほか、自国経済を一方的に優先する保護主義への反対や為替の安定でも一致。Ｇ２０は鉄鋼などの過剰生産問題が「世界の課題」であるとの認識を共有。主要生産国が情報共有や協力を行うフォーラムを設置することで合意した。

　安倍晋三首相は「補助金などで市場が歪曲（わいきょく）されていることが根本的な問題だ」としたうえで、「対話で透明性を確保しつつ、市場メカニズムに則した構造改革を促したい」とフォーラムに期待感を示した。

　首脳宣言は「為替レートの過度な変動や無秩序な動きは、経済金融の安定に悪影響を与える」と指摘。

円高進行を食い止めたい日本の働きかけが反映された格好