日銀の黒田東彦総裁は5日、東京都内で講演し、マイナス金利政策をめぐり、「金融機関の収益に与える影響が相対的に大きい」と述べ、“副作用”について踏み込んだ発言をした。銀行や生命保険会社に加え、金融庁からも金融機関の収益圧迫懸念が示されたことに配慮した。20、21日の金融政策決定会合での「総括的な検証」でも、金利政策は重要な論点になりそうだ。
黒田総裁はこの日の講演で、マイナス金利政策の効果について「金融仲介機能に与える影響についても考慮する必要がある」と明言。銀行の預貸の利ざや縮小のほか、貯蓄性の高い一時払い終身保険の一部販売停止、退職給付金債務の増加など、これまでになく事細かにマイナス金利の副作用を例示した。
黒田総裁は「人々の間に金融機能の持続性に対する不安をもたらし、経済活動に悪影響を及ぼす可能性には留意する必要がある」とも述べ、マイナス金利によるデフレ心理の再発懸念にも配慮していることを示した。