GDP年率上方修正も…個人消費弱く、企業部門精彩欠く 民需強化の抜本改革が急務 (2/2ページ)

 今後、企業が安心して投資を増やし、消費拡大を促す賃上げを続けるには、日本経済への成長期待を高めることが重要となる。政府は、働き手の確保や技術革新による生産性向上を通じ、0%台前半にとどまる潜在成長率を高める政策が求められる。

 既に政府は本腰を入れ始めており、働き手確保に関しては、女性や高齢者の労働参加を促すため、長時間労働をどう是正するかなどを官民で話し合う「働き方改革実現会議」の初会合を月内に開く。第4次産業革命をはじめとする技術革新に関しても、政府は近く、新たな政策会議を立ち上げ、官民での対話を進める。

 民間企業にも多様な取り組みが広がり始めた。働き方改革では、自動車最大手のトヨタ自動車が来年1月をめどに、不妊治療を受けるため取得できる新たな休暇制度を採用。家庭用品大手ユニリーバ・ジャパンは今年7月、規定の労働時間を満たせば自宅に限らず自由な場所で勤務できる新制度を導入した。

 政府が8月、28兆円規模の経済対策を決定したことで、「公需」の下支えは17年度ごろまで続くとみられる。市場関係者は16、17年度の実質成長率が1%前後に達するとみる。官民は、公需による景気浮揚という“時間稼ぎ”の間に、民需を強化する抜本改革を急ぐ必要がある。(山口暢彦)