2月に導入したマイナス金利政策の影響はほとんど反映されておらず、今期は一段と厳しくなっている可能性が高い。金融庁は3メガ銀行の今期業績について「マイナス金利で3000億円程度の減益要因になる」と試算。金融界はそろってマイナス金利に反発しており、日銀首脳はこのところ相次いで金融機関に配慮する発言をしている。
一方、今後の金融政策運営について、黒田総裁は「日本経済全体にとってベネフィット(恩恵)が上回るのであれば、追加緩和を躊躇(ちゅうちょ)するべきではない」と述べている。マイナス金利の費用対効果をどう見るのか、次回日銀会合の議論に市場は注目している。
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■金融仲介機能をめぐる日銀首脳の発言
◆布野幸利審議委員(8月31日)
・金融仲介機能が毀損(きそん)するような状態は、中央銀行として望むところではない
◆黒田東彦総裁(9月5日)
・マイナス金利政策を考える上で、金融仲介機能に与える影響についても考慮する必要がある
・金融機能の持続性に対する不安をもたらし、経済活動に悪影響を及ぼす可能性には留意する必要がある
◆中曽宏副総裁(8日)
・マイナス金利の導入時から、金融仲介機能が悪化することになってはいけないということが最も重要な論点だった
・保険や年金の運用利回りの低下や貯蓄性の商品の一部販売停止、退職給付債務の増加につながっている