
3月、ハノイの日本語学校で授業を受けるファム・アイン・グエットさん(手前左)ら。翌月、グエットさんは退学した(共同)【拡大】
ハンさんとともに実習生を志した日本語学校の同級生8人のうち2人は介護職を諦め、技能実習制度で日本の食品加工会社などで働いている。
やはり介護実習生を目指したファム・アイン・グエットさんも学校を辞め、ハノイの別のレストランで働く。「日本で介護士の資格が取れれば、日本でもベトナムでも仕事ができる」。実習生としての渡航の見通しが立たないため、自分で学費を負担する語学留学で訪日し、日本語と介護を学ぶことに決めた。
初年度の学費と3カ月分の住居費計約90万円は兄が工面する。ベトナムの工場労働者の一般的な年収の4倍以上に当たる大金。「それ以降にかかるお金は、他の留学生と同じように授業の合間に働いて稼ぐつもり」
技能実習制度をめぐっては劣悪な労働環境や低賃金などの問題点が指摘されているが、訪日を目指したベトナム人の若者は数千人に上るとみられる。日本の国会審議が滞ったことで大半が渡航を断念した可能性がある。
厚生労働省によると、新法は早ければ秋の臨時国会で成立する見通しだが、介護職受け入れが始まる時期はまだ決まっていない。(ハノイ 共同)
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【用語解説】外国人技能実習制度
発展途上国への技能移転を目的に、途上国の若者を日本国内の企業などで受け入れ、働いてもらう制度。1993年導入。2015年末の実習生は約19万人。中国が最多で、近年はベトナム人が急増。一部職場での低賃金、過酷な労働条件などが問題視されているほか「国内中小企業の人手不足を補う手段となっており、制度の趣旨と懸け離れている」と指摘されている。(ハノイ 共同)