オバマ政権、3つの“同時多発テロ”に衝撃 沈黙ににじむ苦悩 (2/2ページ)

 テロについては、考え方の相違から国際法上の定義はないが、国連は「住民を威嚇、あるいは政府や国際組織の行動を強制し自制させる目的で、危害を引き起こすあらゆる行動」と位置づけている。これに基づけば、今回の3つの事件はテロ以外の何ものでもない。

 爆発物も、ニューヨークでは携帯電話で起爆したとみられ、中東や東南アジアでは恒常的に使われている起爆方法だ。ニュージャージー州ではパイプ爆弾が使用された。カリフォルニア州での銃乱射テロでも、容疑者の自宅から多数のパイプ爆弾が発見されている。

 「爆弾に限れば、米国内のテロリストの間ではパイプ爆弾が『主流』だ」(テロ専門家)。ニューヨークで発見された圧力鍋爆弾が、2013年のボストンでの連続爆破テロで使用されたことは記憶に新しい。それでも「圧力鍋爆弾は少ない」(同)という。

 これら爆弾の製造方法は、インターネットで簡単に入手できる。欧州でのテロに比べ、米国の「ホームグロウン」(自国育ち)や「ローンウルフ」(一匹おおかみ)によるテロでは、殺傷能力が高い銃器が使用されることが多い。今回のニューヨークでのテロは、爆弾の恐怖を改めて市民に植え付けている。

 ミネソタ州では刃物がテロの凶器となり、オバマ政権はテロの手段の多様性にも、苦悩しているようだ。