有名大学の先生が、外部で臨時に講義した場合、1講義万(元)単位の報酬を得るという。人気の講師になると、1講義が2万~3万元(約31万~46万円)というから、有名人の講演料に匹敵する。
先生たちは兼職も許される。専門の知識を活かし、企業から収入を得るのである。雇われるのではなく、自ら会社を起こしている先生もいる。
先生稼業は、労多くして実が少ない、と言われてきた。今回の詐欺事件で、そうとも限らないのでは? と、人々は思うようになった。1760万元を即金で支払った教師に対して「不当な金ではないか」と疑問を抱く人も少なくないようだ。
ちなみに私の父は国立大学の教授だった。子供心にも、大学の先生はつましいものなんだなあと感じたものである。日本は知識に対する対価が低すぎるが、その点、中国は日本の先を行っているのかもしれない。
思わぬ方向へ発展した振り込め詐欺事件であるが、最大の問題は、個人情報が何故洩れていくのかだろう。それが解決されなければ、詐欺事件はなくならない。