10月1日から厚生年金と健康保険の加入条件が変わり、推計約25万人が新たな対象となる。現在は正社員が中心だが、パートなど非正規雇用の短時間労働者に拡大。保険料負担が新たに生じる人もいるが、老後の年金給付が手厚くなるなどのメリットがある。
2012年成立の改正法が同日施行。人手不足感が高まる中、企業側は賃金・人事制度を改めて従業員を厚生年金加入につなげ、職場定着を図る必要も出てきそうだ。
これまで厚生労働省は加入対象を「労働時間が正社員のおおむね4分の3(週30時間)以上」と内部通知で規定。10月からは(1)週20時間以上働く(2)残業代などを除く所定内賃金が月8万8000円(年約106万円)以上(3)企業規模が従業員501人以上(4)1年以上働く見込み(5)学生ではない-の5条件を満たす人に拡大すると法律に明記した。
厚生年金は保険料の半額を企業が負担。非正規雇用で現在は国民年金に加入している人では、保険料負担が減るケースもある。主婦パートの場合、負担が生じて手取り収入が減ることもあるが、老後の年金額が増える。医療の面でも、けがや出産で仕事を休んだ場合に健康保険独自の給付を受けられるようになる。
主婦パートは現在、年収130万円未満だと扶養家族扱いで保険料負担もないことから、「130万円の壁」を超えないように就業調整する人も多い。労働時間と賃金の条件を大幅に引き下げることで、「壁」を意識せずに働いてもらうよう誘導する狙いもある。
政府は今後さらに加入を拡大する考えで、従業員500人以下の中小企業でも希望すれば加入できるようにする改正法案を国会に提出している。