資質の一つの要素である「経験」をめぐる応酬も、討論の基調を成した。トランプ氏が、クリントン氏の国務長官時代の経験と実績を、オバマ政権の「失策」と結びつけて批判すると、クリントン氏は反論して正当化するといった具合だ。
今回の選挙が「予測不能」な理由の一つは、トランプ氏の支持者という確たる有権者が、「良識」といった従来の基準、価値観とは異なる資質を受容していることにある。
米CNNテレビによると、有権者はひとまずクリントン氏に軍配を上げたようだが、討論会の結果が実際に支持率にどう反映されるかは、今後の世論調査を待たなければならない。
だが、その結果に一喜一憂するのは早計だろう。今年を除く過去11度のテレビ討論会の第1回目で支持率を上げながら、結局、敗北した候補は7人を数える。残る2回の直接対決では依然、5人に1人とされる浮動票への訴求がカギを握りそうだ。(ワシントン 青木伸行)