大手、中小の賃上げ乖離縮小 連合「ベア2%程度を基準」決定

2016.10.21 05:48

 連合は20日、2017年春闘で従業員の基本給を一律に引き上げるベースアップ(ベア)幅を「2%程度を基準」とする方針を決定した。働いた年数に応じて基本給が増える定期昇給(定昇)を含めると4%程度の引き上げを求めるなど、16年春闘方針と同様の要求となった。連合がベアを要求するのは4年連続。

 同日の会見で神津里季生会長は「今年の春闘では、物価上昇がゼロ近傍の中、ベアを獲得したことや、大手と中小の賃上げ乖離(かいり)の縮小など、新しい流れを導き出した。この流れを継続させることが重要だ」と強調した。また、月例賃金の引き上げや非正規労働者の賃上げなどの方針も継続させる。

 17年春闘をめぐる経済環境は厳しい。円相場は今年初めに1ドル=120円の水準だったのが、現時点では103~104円の円高となっており、輸出企業の採算が悪化している。さらに、国内消費の低迷が続くこともあり、今期は減益を余儀なくされる企業が多くなるとみられている。

 経営側の春闘方針を検討する経団連の役員は「賃金引き上げは難しい」と指摘する。日本商工会議所の三村明夫会頭も同日の定例会見で、「ベア2%の要求は高すぎる」と、連合方針を牽制(けんせい)する。

 春闘ではここ数年、政府がデフレ脱却のために賃上げが必要とし、経営側、労働側にも呼びかける「官製春闘」が定着しつつある。今後、政府が賃上げを要請するとみられており、政労使での議論、交渉も進むことになりそうだ。

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 ■春闘をめぐる労使の基本方針

  (連合/経団連)

 2013年 賃金水準の維持を図る。ベア要求せず/ベア実施の余地はない。定昇の扱いが論点

 2014年 定昇2%を確保し、1%以上のベア求める/業績好調企業は賃金引き上げを検討

 2015年 定昇の維持を前提に2%以上のベア求める/ベアは賃金引き上げの選択肢の一つ

 2016年 ベア2%程度を基準とし、定昇を含め4%程度/2015年を上回る年収ベースの賃金引き上げ

 2017年 ベア2%程度を基準とし、定昇を含め4%程度

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