金融庁が、証券会社などプロの投資家を対象とする「プロ向けファンド」を不適切に運営している業者に対し、一斉処分に踏み切る方針を固めたことが21日分かった。届け出のある業者は9月末時点で全国に約2800あり、処分対象は数百社に上る可能性がある。
金融庁は今月14日、無登録でファンドを運営したなどとして、東京の運営会社1社に初めて業務の廃止などを命じていた。投資経験の乏しい高齢者らに対する強引な勧誘が各地で問題となっており、不透明な運営をしている業者には同様の厳しい処分で臨む方針だ。
プロ向けファンドを行政処分の対象とした改正金融商品取引法が今年3月に施行され、金融庁は届け出のある業者に運営状況の詳しい報告を要求。その結果、連絡が取れない業者や郵送物が宛先不明で返送されるケースが相次ぎ、不透明な運営状態が判明した。
プロ向けファンドは通常のファンドと違い、登録が不要で届け出をすれば運用できる。銀行や証券などプロが入っていれば、プロ以外の49人以下の投資家からも出資を集めることができるが、法改正後は1年以上の投資経験を持つ人に限るなど規制を強化している。