環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の承認案と関連法案を審議する衆院特別委員会は26日、札幌市と宮崎県高千穂町で地方公聴会を開いた。
与党は月内の衆院通過を目指している。衆院東京10区、福岡6区の補欠選挙で勝利したこともあり、強気の姿勢を崩していない。強行採決を警戒する野党民進党、共産党は25日の参考人質疑を欠席しており、与野党間の駆け引きが激化している。
公聴会では農林漁業関係者や有識者がTPPの影響について意見を述べ、議員らが質疑する予定だ。酪農や野菜、水産物の大生産地である北海道と中山間地の高千穂町は、それぞれTPPの影響が異なるとみられ、公聴会の開催地として選ばれた。
札幌市の公聴会に招かれた漁業用機器を開発・製造する東和電機製作所(函館市)の浜出滋人専務は、TPPの加盟によって南米などに市場が伸びる期待がある一方、「後継者不足など国内漁業の縮小が懸念される」と漁業者への支援強化を訴えた。
高千穂町の公聴会では、宮崎県の河野俊嗣知事が県内の畜産業などの生産現場でTPPへの不安が広がっていることを指摘し、「地域の実情をきめ細かくくみ取ってほしい」と要望した。