一方、朝鮮日報の日本語版は台湾の中央通信などの報道をもとに、中国人民解放軍に詳しい軍事専門誌「漢和防務評論」の平可夫編集長の話を引用。平可夫編集長はデモフライトをみた結果、J20は完全なステルス機能を備えた第5世代の戦闘機ではないとの見方を示した。
その上で、F22はもとより、ロシアのスホーイ30MKIとスホーイ35でも可能な高難易度の飛行をしなかったと指摘。F22に比べて機体が大きく、翼の面積も防空レーダーに反射されかねないほど広く、F22やロシアの第5世代戦闘機T50に比べてステルス機能は相対的に低いとした。
やはり、エンジン開発がネックに
戦闘機にとってエンジンはその性能を大きく左右する重要な要素で、中国は1980年代から戦闘機搭載用のエンジン、WS10の開発に着手した。2010年代半ばにはWS10に関する技術的な成果を一定程度は納めたとされ、1990年代にさらに高性能のWS15の開発に乗り出した。
中国は2011年にJ20の試験飛行を行ったが、このときの2機のうち1機にはWS10が、ほかの1機にはロシア製エンジンのAL31Fが搭載されていたとみられている。だが、WS10は性能的には中国空軍を満足させるものではなく、またWS15の開発は難航しているとみられ、J20はロシア製エンジンを搭載することになるとみられる。
中国はレーダーに捕捉されにくい特徴を持つ次世代ステルス機としてJ20と「殲31(J31)」の開発を続けており、J20は来年にも配備されるとの報道がある。