日銀は7日、金融政策の目標をお金の「量」から「金利」に転換した9月の金融政策決定会合の議事要旨を公表した。多くの委員が大規模な国債買い入れとマイナス金利によって金利全般の水準を引き下げることができたと指摘。長期金利は操作できないという中央銀行の伝統的な考え方があったが、長短金利を操作する枠組み導入は「可能」との見方を示した。
日銀は9月会合で短期金利を年0・1%のマイナス金利に、長期金利を0%程度で推移させる枠組みを導入した。実質金利の低下によって経済や物価を改善してきたことを踏まえ、多くの委員が長短金利操作を「政策枠組みの中心にすべき」との考えを示した。
一方、新たな枠組みでは、それまで政策の中心だった「年80兆円の国債買い入れ」について、金利操作のための購入は続けるが、数値的な目標から外した。複数の委員は買い入れ額の拡大は物価上昇の期待につながる「有力な手段」との見解を強調したが、委員の1人は効果を疑問視した。